言語研究とGoogle
少し前に 言語学の研究をググってするというのはありなんだろうか? というブログ記事を読み、これについて少し考えた。個人的な意見としては、Googleが使っているクローラおよび検索のアルゴリズム(およびパラメター)に結果が少なからず左右されること、それからGoogleによる恣意的な操作のない保証がないということを考えると、100%「あり」だとは決して言えない。
ただ、人名や企業名などの固有名詞ならともかく、より一般的な表現のヒット数については、それが「何らかの傾向」を表している可能性は高いと思う。きちんとした理論に基づいた議論がまずあって、補足的にGoogleの検索結果をデータとして示すくらいなら許容範囲だろう。
実際、ここ何年かに出版された言語学の入門書には、概念やリサーチ手法の説明にGoogleの検索結果を利用したものがある。たとえば、谷口一美さんによる『ことばのエクササイズ 認知言語学』の「ことばのダイナミズム」という章では、「わたし的には/僕的には」といった、日本語の「~的」にみられる現代的用法についてGoogleを用いた分析を行っている。こういった口語表現に関する調査はウェブ上のデータが確かに役立つ。
でもやはり、検索画面の裏側に、利用者/研究者にとって覗き見ることができないブラックボックスが存在していることは無視できない。
その意味で、最近話題になった Wikia Search のように、ウェブ検索のインフラ自体をオープンソース化しようという試みには期待している。現時点ではまだまだ実用には耐えないけれど(日本語もちゃんと通らない)、上手く行けば、学術的なニーズを満たした検索サービスになる可能性はある。
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